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医薬品のパラダイムシフト

医薬品の変遷、再生医薬品のもたらす未来

人々の望みである健康。健康を維持し増進するため、より良い医薬品や治療法の研究開発に人類は最大の努力を払い、まい進してきました。

より良く効いて、安全性が高い医薬品を開発するため、近年の医薬品開発は、化学物質の合成によって作製された候補物質の中から化合物医薬品を見つけ出す、という手法から、人間の体のなかで作り出され、有効に機能している生体内物質を発見してバイオ医薬品として使用する、という手法に移行しつつあります。バイオ医薬品の代表例として、抗体という免疫機能を担っている生体内物質(タンパク質)を医薬品として活用した抗体医薬品があります。

当社が開発を進めているiPSC再生医薬品は、生命の最小単位である細胞を用いたバイオ医薬品となり、細胞の加齢・劣化によっておこる慢性疾患に対して画期的な医薬品となる可能性が期待されています。

当社では、これを、生命科学領域における大きなパラダイムシフト(認識・価値観の劇的な変化)と捉えており、今世紀最大のバイオ革命を引き起こすものであると期待しています。

分子標的治療からiPSC再生医療へ医薬品は進化する

始まりつつある医薬品のパラダイムシフト

低分子化合物の開発から始まった医薬品産業は、抗体医薬品などを経て、細胞医薬品・再生医療等製品へと変化のきざしをみせています。

日本の再生医療分野の技術は世界でもトップレベルであり、それぞれの大学や研究機関、企業においても非常に高度な研究開発が行われております。
その中でもiPS細胞は、その発表からわずか6年でノーベル生理学・医学賞の栄誉に輝き、全世界が注目し、医療にパラダイムシフトを起こすことが期待されています。さまざまな器官・細胞へと分化できる多能性と、ほぼ無限に増殖する能力(増殖能)を持つiPS細胞は、人体組織のあらゆる疾患に対して有効な治療法を提供できる可能性を秘めているためです。また作製プロセスの点で、同じ多能性幹細胞であるES細胞と異なりヒト胚から採取するものではないことも、生命倫理の観点からみたiPS細胞の大きな利点となっています。

細胞医薬品の変遷

  体細胞(自家)(注1) 間葉系幹細胞(他家)(注2) ES細胞(他家)(注2) iPS細胞(他家)(注2)
発明 1970年 1991年 1964年 2007年
分化能(注3) 多能性 多能性
増殖能(注4)
=毎回ロット変化

=頻繁にロット変化

=1ロット
=標準化が容易

=1ロット
=標準化が容易
作成方法 ヒトから採取 ヒトから採取 ヒト胚から採取 ヒトから採取
作用機序(注5) 機能置換 栄養補給 機能置換 機能置換

(注)

  1. 上記の表における「自家(細胞)」とは、自らの細胞を使って医薬品を作製する場合のことをいいます。
  2. 「他家(細胞)」とは、他人の細胞を使って医薬品を作製する場合のことをいいます。
  3. 「分化能」とは、ある細胞が異なる細胞に変化(分化)していく能力のことをいいます。
  4. 「増殖能」とは、ある細胞が複数の細胞に分裂して増殖する能力のことをいいます。
  5. 「作用機序」とは、上記各細胞がどのように人体に作用するか、その仕組みをいいます。

上記の表に記載される通り、iPS細胞により作られるiPSC再生医薬品はさまざまな細胞医薬品のなかでも、特に多能性・増殖能に優れ、また、倫理的な問題も少ないことから、将来的に慢性疾患に対する画期的な治療として大きく発展していくことが期待されています。
なおiPS細胞を用いた再生医療における安全性については、その高い増殖能等により、腫瘍化のリスクが指摘されていました。しかし、iPS細胞の作製方法の改善などにより、現在では大幅な安全性の向上が達成されています(注)

(注)

  1. iPS細胞の腫瘍化については、大きく①iPS細胞作製の際に細胞に導入される初期化因子が引き起こすケースと、②iPS細胞から作製され患者さんに移植される細胞の一部に、目的とする細胞に分化しきれていないものが残存することが原因となるケース、の2つが想定されてきました。しかしその後の研究により、①腫瘍化のリスクが低い代替的な初期化因子が発見され、また、②より完全な分化能力を持つiPS細胞の選別方法や、iPS細胞をより確実に分化させる方法なども開発されています。

当社が考える将来の医薬品の市場イメージ

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私たちヘリオスは、化合物医薬品分野に加えて、iPS細胞に関連する技術を活用した再生医療等製品分野を中核的な事業領域と位置付け、世界のトップレベルの研究機関・大学・企業と協力関係を築き、医薬品・再生医療等製品の研究開発を行って参ります。