iPS細胞由来遺伝子編集NK細胞とがん免疫療法

がん疾患は日本人の死因1位となっており、がん疾患が原因で死亡したヒトの約90%が「固形がん」よるものと言われています。

ヘリオスでは、現在、固形がんを対象に、iPS細胞から機能を強化したNK(ナチュラルキラー)細胞(iPS細胞由来遺伝子編集NK細胞)を作製し、このNK細胞を用いたがん免疫療法の研究・開発を行っています。

がん免疫療法とは

ヒトが生まれながらに持っている免疫の仕組みを用いることで、体内のがん細胞・組織を攻撃し増殖を阻害する治療法のことです。

がんと免疫

免疫とは、ウイルス・細菌・カビなどの病原体(異物)を攻撃・排除して、私たちの体を守る、防衛機能のことです。また、外部の病原体から体を守るだけでなく、体内で発生したがん細胞を認識し、攻撃・排除する機能も持っています。
免疫は、「自然免疫」と「獲得免疫」の2つに分けることができます。
自然免疫は、生まれつき備わっている仕組みであり、主にマクロファージやNK細胞が体内に侵入した病原体やがん細胞を最初に攻撃・排除する機構です。
獲得免疫は、体内の異物の情報を認識して活性化されたT細胞やB細胞を介して異物を攻撃・排除する機構です。
特にがん化した細胞を排除するにはNK細胞やT細胞による細胞性免疫が重要です。

がん細胞形成メカニズム(がん免疫編集説)

遺伝子編集NK細胞の研究・開発

NK細胞とは、がん細胞やウイルスに感染した細胞など異常な細胞を認識し、直接攻撃し体内から排除する働きを持ったリンパ球の一種です。

私たちが、研究・開発しているiPS細胞由来遺伝子編集NK細胞は、iPS細胞から遺伝子編集技術を用いて抗がん活性を強化するなど、細胞が本来持っている能力を高めたNK細胞で、特定のがんに限定されずに幅広いがん疾患への効果が期待できます。