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トップメッセージ

代表取締役社長兼CEO 鍵本 忠尚(かぎもと ただひさ)

患者さんからの問いかけ 「私の目の病気は治りますか?」

医学部卒業後、米国シリコンバレーでインターンとして勤務する機会を得ました。そこで、最新の研究結果を製品として迅速に市場に展開する、バイオベンチャーのダイナミックな展開を目にしました。
その後日本に戻り、九州大学において臨床医として勤務していた時、一人の患者さんとの出会いがありました。その患者さんは加齢黄斑変性という、網膜の中でもっとも視覚が鋭敏な黄斑部が変性することにより視覚が悪化する病気を患われていました。当時はもちろん、いま現在でも根本的な治療法のない疾患ですが、ある日その患者さんに言われたのです。「先生、私の目の病気は治りますか? 5年前に生まれた孫の顔を一目見たいんです。」と。その切実な願いを聞いたとき私は己の無力さを痛感し、「必ずや有効な治療法を開発して多くの患者さんに届ける」と心に誓いました。その誓いが私の起業の原動力です。

初めての起業・成功と苦難、そして再起

初めての起業・苦難と成功

アキュメンバイオファーマ株式会社(現:アキュメン株式会社)を起業したときは、何もかも初めての経験ばかりでしたが、なんとかBBG250(Brilliant Blue G-250)という成分を利用した眼科手術補助剤を開発し、欧州で認証を取得、上市し、そして業界標準品(デファクトスタンダード)として育て上げることができました。(※米国以外の世界中の眼科医の63.1%がBBGを使用していると回答 (出所)ASRS(American Society of Retina Specialists))

ただ、想像以上に激変する経済環境への変化が求められ、一時は最低限のスタッフを残して企業規模を大きく縮小せざるを得なかったときもありましたし、他にも資金面での苦労は数えきれないくらいありました。そんな中でも結果を出せたのは、ステークホルダーの皆様の御支持が常にあり、どんな時も「患者さんのために有効な治療法を出す」という軸をぶらすことなく進むことができからだと思います。

初志の実現に向けて

初志の実現に向けて

アキュメンの創業・経営を通じて、たくさんのことを学びました。が、初心である「加齢黄斑変性の治療法を届ける」という誓いはまだ達成しておりません。理化学研究所の技術と出会い、共同研究を開始したことにより、その実現への道が見えてまいりました。ヘリオスの代表として必ずこの初心を成し遂げていきたいと考えております。そのためにいろいろな企業や研究機関と連携・協力を行い、日本の持つ高い技術力をスムーズにiPSC再生医薬品としてアウトプットできる仕組みも作り上げました。そして現在、その仕組みを活用して、加齢黄斑変性に有効な治療法としてのiPSC再生医薬品の製品化実現にむけて動いております。

iPSC再生医薬品の展開

iPSC再生医薬品の第1号と期待される網膜色素上皮細胞の研究開発を進める上で、当社が得つつある、安全かつ効率的な細胞培養技術と医薬品製造ノウハウ、そして移植医療に関する幅広い知見は、他の領域でも大きく活かせると考えております。すでに眼科領域以外の臓器に関して、公立大学法人横浜市立大学との共同研究を始めています。
再生医療の発展に向けた再生医療新法が施行され、世界に先駆けて歴史的な規制緩和である薬事承認制度が導入されました。多くの研究者が長年研究を重ね、山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したiPS細胞、それを用いたiPSC再生医薬品を日本発の一大産業に育て上げたい。経営者として、困難を乗り越えてきた経験を活かし、多くの企業や大学、研究機関からのご協力を受け、全ての患者さんに治療法を届けるという情熱をもって、iPSC再生医薬品による治療法の実現に全力を注いでいきます。